串本町ロケのドラマ「TUNA(ツナ)ガール」が11月23日、紀南文化会館(田辺市新屋敷町)で開催された「第13回 田辺・弁慶映画祭」で上映された。
串本町の近畿大学水産研究所を舞台にした「TUNAガール」©吉本興業/NTTぷらら
同ドラマは、動画配信サービス「ひかりTV」などで3月から配信。監督の安田真奈さんは2006(平成18)年に田辺市を舞台にした映画「幸福(しあわせ)のスイッチ」を製作。同作の上映をきっかけに2007(平成19)年から映画祭が始まった。
小芝風花さんが主人公の美波を演じ、近畿大学水産研究所大島実験場(串本町大島)を舞台にクロマグロの養殖に取り組む人々を若者視点で描く。タイトルには英語の「ツナ」と、人や技術が「つながる」の2つの意味を込めたという。脚本は安田監督が現地取材し、関係者から話を聞き、書き上げた。
上映後の舞台あいさつで安田監督は「クロマグロの完全養殖が成功するまで32年もかかった。築き上げられた技術や研究の努力を目の当たりにして感動し、クリエーターとしてどうしても養殖の舞台裏を盛り込みたかった。マニアックな部分もあるが、恋愛や人間模様も描いたドラマなので誰でも楽しめる自信作。9月から英語字幕の配信も始まるので、海外の人にも魚食や完全養殖に興味を持ってもらえたら」と話す。「配信作品なので大きなスクリーンで見たのは初めて。田辺で実現したので感無量」と笑顔を見せた。
制作に協力した研究所関係者は「研究の世界が分かる内容。私たちは興味を持ってもらうのが第一歩なので、それを映像作品の形で伝えられてうれしい」と話す。