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和歌山城の動物園でツキノワグマの「ベニー」が仕事始め 小雨で「在宅ワーク」

寝室から出ないツキノワグマ「ベニー」

寝室から出ないツキノワグマ「ベニー」

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 和歌山城公園動物園(和歌山市一番丁)のツキノワグマ「ベニー」の仕事始めで3月27日、寝室と運動場の間の扉が開けられた。

ツキノワグマ「ベニー」のアップ

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 同園は1972(昭和47)年からクマを飼育し、ベニーは、アメリカクロクマ、初代ツキノワグマに続く3頭目。1994(平成6)年に来園した雌のツキノワグマで、2015(平成27)年の「第1回動物園長選挙」で同園初の「動物の園長」に選ばれた。

 動物園のクマは寒い地方でも通年展示しているが、同園では歴代のクマを冬眠させる。ベニーは昨年12月23日に「仕事納め」し、約3カ月の冬眠に入っていた。昨年は3月になっても寒い日が続いたため4月5日に「仕事始め」となった。例年は、最高気温が13度以上の日が続き、その後も気温が安定する3月末に冬眠を終える。

 和歌山地方気象台の発表によると9時時点の気温は18.4度。朝から小雨が降る中、9時に寝室の扉が開かれると、ベニーは立ち上がり外を伺う様子を見せたが、そのまま寝室に戻りわらの上に座り込んだ。園舎の前では来園者らが「ベニーちゃん、出ておいで」と声を掛けるも姿を見せることなく、仕事始め初日は寝室待機となった。

 阪南市から来た女性は「ベニーのマイペースでおっとりしたところが好き。高齢だし天気も悪いので出てこなくても仕方ない」と話す。「暖かく天気の良い日にまた会いに来たい」とも。

 和歌山城整備企画課の瀧本翔子さんは「まさか出てこないとは思わなかった。気温は申し分ないが、ベニーの気分が乗らないのか、雨の気配を察知したのか『出勤姿』が見られず残念」と話す。「冬眠中も2日に1回与えるサツマイモやバナナ、クマ用ペレットなどをしっかりと食べて元気に過ごしている。高齢なのでしばらくは寝室と運動場の間の扉を開放して、気候や体調などから自分で運動場に出るか判断を任せたい。まだ姿が見られない日があるかもしれないがご容赦いただきたい。晴れた暖かい日には元気な姿を見せるので、またベニーに会いに来てほしい」とも。

 開園時間は9時~17時。火曜休園(31日は開園)。入園無料。

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