JR和歌山駅近くのみその商店街(和歌山市美園町)に6月5日、有功(いさお)東小学校(六十谷)の6年光組の児童23人が「総合的な学習の時間」に訪れた。5月28日に続き2回目。
同商店街は和歌山駅に隣接しているが、近年はシャッターを閉めたままの店舗が目立つ。そうした中、2008年にはNPOの中間支援組織が事務所を構え、それに続く形で非営利団体が増加。現在は公益財団法人「地元力応援基金」など14団体が軒を連ねる。
同校の全児童数は295人。大阪府と和歌山県の県境、和泉山脈の南斜面標高約45メートルの場所に位置し、周辺には商店街がない。「総合的な学習の時間」は自ら課題を見つけ、学び、考え、解決する能力を養うことを目的とした学習の時間で、3年生~6年生児童を対象に行う。
児童らは商店街を探索し、商店主らにインタビューを実施。さらに、NPOについての講義も受けた。「全国的に見てもこれほどNPO団体が集まる商店街は珍しい」というのは、わかやまNPOセンター理事の志場久起さん。「阪神淡路大震災の話をきっかけにNPO活動を説明した。その役割を伝えることはできたと思う」とも。
教室となったフリースペース「T-LABO」代表の岩橋正悟さんは「とにかく熱気がすごかった。『またプライベートで来るわ! じゃあ』と言いながら帰っていった子どももいた」と笑顔を見せる。
担任の福井規之教諭は「子どもたちは商店街での学習をとても楽しんでいた。なかには、商店街に行ったのは初めてという児童も。商店街はお年寄りが来る場所と思っていたようだが、イメージが変わったのでは」と話す。