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和歌山・田辺工業高校で「デロリアン」完成 学校の新たなシンボルに

正門前に設置した「デロリアン」モニュメント

正門前に設置した「デロリアン」モニュメント

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 映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に登場するタイムマシン「デロリアン」の実物大モニュメントが12月25日、和歌山県立田辺工業高校(田辺市あけぼの)に設置された。

重さ約400キロという「デロリアン」を設置する教員たち

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 デロリアンは米「デロリアン・モーター・カンパニー(DMC)」社が1981(昭和56)年に製造した自動車「DMC-12」の愛称。全長は約4.2メートル、高さ1.1メートル。1985(昭和60)年公開映画の劇中ではタイムマシンに改造された。

 同モニュメントは、2016(平成28)年、当時の機械科3年生が製作を始め、後輩たちが製作を引き継いできた。車体はアルミとステンレス製。ゴムは朽ちることからタイヤもアルミで作った。タイヤは回転するが自走機能は持たない。車体は約400キロで、台座を含めた総重量は600キロ以上という。

 正門正面のロータリー中心に植えていた卒業記念樹のヤシが、台風の被害を受け、空きスペースになっていたことから、新たなシンボル設置を検討していた際に、機械科長の高井正人教諭が『デロリアン』の設置を提案したという。

 台座の回転駆動装置は同校ものづくり研究部の生徒たちが製作。展示する玄関先ロータリーにスポットライトやLEDイルミネーションも設置した。電気工事から設置まで全て同校の生徒と教員が力を合わせた。

 モニュメントは、平日9時から3時間おきに18時までイルミネーションを点灯し、音楽を流しながらタイヤを回転させ、展示台座が1周する。18時には、ロータリーに設置したイルミネーションと車体を照らすスポットライトも点灯する。

 高井教諭は「400人近い生徒が製作に関わったので、設置してから卒業生が見に来るなど、注目を集めている。生徒と教員が一丸になって製作することで、生徒は教員の技術を目の当たりにし、ベテラン技術者との協業を体験できた。高い教育効果があった」と話す。「有志の教員の協力でなんとか入試の前日に設置できた。これから本校で学ぶ未来の生徒たちが、このような物を作れる技術者になるとイメージを持ってほしい。工業高校ならではの製作物を展示することで、地域の人からさまざまな依頼もいただける。今後もさまざまなコラボができたら」と期待を寄せる。

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