酒造会社「中野BC」(海南市藤白、TEL 073-482-1234)が1月18日、14年熟成させた梅酒「長期熟成梅酒 長久」の販売を始めた。
同商品は地理的表示(GI)保護制度認定の「和歌山梅酒」。同制度は、地域の特産品のうち、品質や社会的評価などが確立した特性が産地と結びついた産品の名称を知的財産として保護しようと設けられた。和歌山梅酒は2020年9月に指定を受けた。和歌山県産のウメを使い、アルコールは10~35パーセント、漬け込みや貯蔵、容器への詰め込みを県内で行うことなどが条件。
同社の梅酒は14商品がGI和歌山梅酒の指定を受けた。長期熟成梅酒長久はみなべ町産の「南高梅」を使い、長期間熟成させた梅酒。梅酒杜氏(とうじ)の山本佳昭さんが「生産者の顔が見える梅酒を造りたい」と2008(平成20)年から取り組む。
南高梅を栽培する「山本農園」(みなべ町)の山本譲さんは、カニやエビの殻や昆虫の甲羅に含まれる天然物質「キトサン」を使った農法を行う。同農園は、農林水産省のガイドラインに従い、化学合成農薬と化学肥料を50%以上削減し、特別栽培農産ほ場の認定を受けている。
中野BC営業企画課の小川真生さんは「ストレスを減らして育てられたウメを使っているので、野性味のある味だが、モモのように華やかで上品な香りに仕上がっている」と話す。「ワイングラスで常温のまま飲んでいただくことで、きれいな琥珀(こはく)色と豊かな香りを楽しめる。家でぜいたくに、14年の熟成を楽しんでほしい」とも。「贈答品に使えるよう英語表記付きの化粧箱で販売する。『梅酒と言えば和歌山』と言われるよう、GI和歌山梅酒を国内外に広げていきたい」と意気込む。
価格は、720ミリリットル入り化粧箱入り3,300円。同社直営店「長久庵」やオンラインショップ、量販店などで取り扱う。