2100年の和歌山市を舞台にした創作歌劇「火具鎚(かぐつち)のうた」が現在、ユーチューブで公開されている。
同作品は2月26日・27日に和歌山城西の丸広場(一番丁)で、無観客で上演、収録を行った。コロナ禍での文化芸術活動の活性化を目的に、文化芸術体験の機会を創出するプロジェクト「WAKAYAMA SOUNDSCAPE(ワカヤマサウンドスケープ)」の一環。
未来の和歌山市を舞台に主人公の高校生ミーコとカイは空が赤く燃え上がる夢を見始め、世界中の中高生に同じ夢が広がっていく。カイの弟ソラを加えた3人は、夢と現実の狭間(はざま)で、謎の究明に奔走する。主人公の3人のキャラクターデザインは、同市出身の漫画家で「ゴルゴ13」の作者として知られる、さいとう・たかをさんが担当。主人公には和歌山県出身の若手俳優をオーディションで選出したほか、和歌山児童合唱団や和歌山雅楽会など総勢約100人が出演する。
和歌山市出身で原作と総合演出を手掛けた「エイベックス・エンタテインメント」(東京都)の中前省吾さんは「公開後約20日で再生回数は2.6万回を超えた。コロナ禍で芸術に触れる機会の一つとしてはもちろんのこと、和歌山市だから成立するストーリーとして、地域の魅力や歴史を盛り込んで仕立てた。たくさんの人に鑑賞してもらい、観光へのモチベーションにつなげていきたい」と話す。「『いつもと違う目線で見た和歌山城が美しくかっこよく見えた』といった感想をいただいた。皆さんも地元の誇らしいところをSNSなどでどんどん発信してほしい。この作品が和歌山市の魅力を再発見するきっかけになれば」とも。