食品卸売会社「丸三商店」(西浜)が現在、焼き肉・ホルモンのたれ「ダイナミックタレ」を復活させるプロジェクトを進めている。
ダイナミックタレは、みそをベースにニンニク、ショウガを利かせ、肉のうま味や甘味を引き立てる味わいに仕上げた焼き肉・ホルモンのたれ。製造していた調味料メーカー「ダイナミック食品」(永穂)は、新型コロナウイルスの影響で売り上げの4割を占めていた飲食店向けの業務用販売が大きく落ち込み、2020年8月に倒産した。和歌山県内初の新型コロナウイルス関連倒産として注目を集めた。元社長・中秀彦さんの高校時代からの友人だった丸三商店の赤井康造社長が「55年間製造し続けていた秘伝のたれを消滅させるわけにはいかない」と復活に向けた協力を決めた。同社が営業窓口となり、中さんに製造責任者として協力を依頼。県内で支援を募り、坂田に新工場を整備した。
クラウドファンディングでプロジェクトを立ち上げたところ、6月12日の開始から12時間で目標額100万円を達成。支援者からは「復活を待っていた」「他のたれには代わるものがなかったのでうれしい」などのメッセージが寄せられたという。現在までに230万円を超える支援金が集まり、300万円を目標にさらに支援者を募る。
営業担当・東山祐輔さんは「ご支援いただいた人に感謝の気持ちでいっぱい。なくなってしまう和歌山の味を復活させる挑戦に、こんなに賛同がいただけてうれしい。集まった支援金を大切に使い、初回生産し、県内はもちろん県外や若い世代にも認知してもらえる戦略を取りたい。ダイナミックタレが人々の記憶に残っているうちに、スーパーや精肉店に1日でも早く商品を並べたい」と意気込む。
支援はクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」で7月11日まで受け付ける。