漆器メーカー「橋本漆芸」(海南市岡田)が現在、「ワクチン打ちました」とデザインされたマスクチャーム「WAKUPITA(ワクピタ)」を販売している。
同社は2020年5月、コロナ禍でおしゃれを楽しむアイテムとしてマスクチャームの販売を開始。蒔絵(まきえ)の技法で図柄を描いた直径約2.5センチの円形の装飾品で、マスクの裏と表から挟みこんで取り付ける。アマビエや紀州手まりなどさまざまな図柄を用意する。
新型コロナウイルスのワクチン接種が高齢者から進む中、5月に接種を終えた橋本洋二社長がデザインを考案。自らマスクに取り付けて出掛けたところ、病院や整骨院など医療関係者から「ワクチン接種済をアピールするために欲しい」と声が上がり、販売を開始した。同僚の分までまとめ買いをする人もいたという。企業や神社仏閣などからもノベルティとしてオリジナルデザインでの注文が寄せられている。
橋本社長によると、近年漆器業界全体が低迷していたところに、コロナ禍により冠婚葬祭の機会が減ったことで贈答向けの需要が減り、売り上げは減少。同社の「ゴルゴ13」「TIGER&BUNNY(タイガーアンドバニー)」などマンガ・アニメやバーチャルアイドル「初音ミク」を蒔絵で描いた御朱印帳などのコラボ製品は売り上げは堅調という。
橋本社長は「和歌山県はワクチンの接種も着実に進んでいるので、接種が終わったらこのチャームを身に着け、安心の手助けにしてもらえたえら。最終的にはマスクなしで出掛けられる日が待ち遠しい」と話す。
価格は1個500円。同社オンラインショップや「うるわし館」(船尾)、「和歌山市観光土産品センター」(和歌山市一番丁)などで取り扱う。