「福開き速駈詣(はやがけまい)り」が1月10日、紀三井寺(和歌山市紀三井寺)で開催された。和歌山で活動するランニングチーム「汗濁(あせだく)大学アスリートクラブ」と同寺の共催。
速駈詣りは一年の無事を願い、新たな決意をささげる参拝で、今年で5回目。2021年の第4回は新型コロナウイルス感染症のため中止となった。楼門から本堂まで続く石階段「結縁(けちえん)坂」の210段を2人ずつ駆け上がる。参加者には速駈証を渡し、本堂で参拝後、寺務所で当日限定の御朱印を授与する。
開会式で前田泰道住職は「走る皆さん一人一人が昇り竜となってこの切り立った石段に運気を呼び込み、多くの人が幸せで良き1年となることを願っている」とあいさつした。
当日は県内外から12歳~83歳の男女62人がタイムを競った。ふんどし姿やかぶり物を身に着けた参加者が駆け上がると、観客から拍手と歓声が上がった。
一番速く駆け上がった男性「福結び速駈王」には京都府在住の消防士・石田諒太さん、最速の女性「福結び速駈姫」には同じく京都在住の佐々木友美さんが輝いた。24秒40で大会新記録を樹立した石田さんは「前回は2位で悔しかったがリベンジできてうれしい。いつも支えてくれる家族と円満な1年を過ごせれば」と話した。
最高齢で前回に続き「健脚王」になった野坂光博さんは「いい天気に恵まれ、気持ちよく走れた。この行事を楽しみに日頃から練習しているので、このようなご時世に開催してもらえてうれしい。来年もぜひ出場したい」と笑顔を見せる。