親子連れ専用キャンプ場「くつろぎたいのも山々。」がかつらぎ町にオープンして1カ月がたった。
親子連れ専用キャンプ場「くつろぎたいのも山々。」のキャンプサイト
敷地面積は約2640平方メートル。センターハウスには、共有キッチンや絵本コーナー、授乳スペース、シャワールーム、子ども用トイレなどを備え、車いすでも利用できるよう配慮をする。利用は、小学生以下の子どもが1人以上含まれるグループ限定で1日5組のみ。
代表の猪原有紀子さんは、3児の母。自身の子育て経験から、子育て中の親が周囲に気を遣わずに済む「大暴れ、大騒ぎ、大歓迎」をモットーとし、同施設を考案した。スタッフが子どもたちと遊ぶ時間を設けたり、ニワトリを放してふれあい体験をしたりするなど、子どもが楽しめて、親がくつろげるキャンプ場を目指す。
2021年3月から「子連れでも疲れない観光農園を作りたい」と呼び掛け、クラウドファンディングで資金集めも行った。5日間で目標金額の300万円を達成し、プロジェクト終了の5月には1,029万円の資金調達に成功した。難病の子どもを育てる支援者の声が、ユニバーサルトイレ、おむつ替えなどの介助ができるユニバーサルシート、オストメイトなどの設備導入につながったという。
猪原さんは「障がいのある子どもを育てる約70人にアンケートを行い、介助者と障がい者の動線を考慮した設計にした」と話す。「ある研究では『子どもと母親が過ごす時間は実質7年6カ月』。その中に『くつろぎたいのも山々。で過ごした1日があってよかった』と思ってもらえる場所にしたい」とも。「和歌山の人には、『地元にこんなキャンプ場があってよかった』と誇りに思ってもらえる場所にしたい」と意気込む。