有田川町清水にある棚田「あらぎ島」で現在、田植えが行われている。
あらぎ島は、有田川の蛇行と浸食で作られた階段状の地形に、江戸時代初期の大庄屋・笠松左太夫が有田川支流の湯川川から引水した上湯(うわゆ)用水路を引いた大小54枚、総面積2.8ヘクタールの棚田。
1999(平成11)年に農林水産省の「日本の棚田百選」、2022年に同省の「つなぐ棚田遺産」に選ばれた。2013(平成25)年には、あらぎ島を含む周辺の農山村地域が県内で唯一、国の重要文化的景観に選定された。
現在は「あらぎ島景観保全保存会」の農家6軒が、ミネアサヒやヤマヒカリなどの品種を栽培している。
同会メンバーの畑中辰也さんは「田植えを終え、新緑が濃く色づき始めて、水が張られたあらぎ島が一層美しく浮かび上がってきた。清水地域は日夜の寒暖差があり、稲作に適している。栽培する米は大半が自家消費だが、一部販売している」と話す。「四季折々に移りゆく風景を楽しんでいただきたい」とも。
あらぎ島の様子は現在、同町のユーチューブチャンネルでライブ配信している。