和歌山を舞台にした青春漫画「君はスキノサウルス」とのコラボ展示が7月22日、和歌山県立自然博物館(海南市船尾)で始まった。
和歌山市出身の漫画家・関口太郎さんが月刊少年マガジンに連載する同作は、有田川町金屋地域を舞台に高校生が化石を発掘する物語。7月14日に第1巻を刊行した。コラボ展では、作中に登場する同館のイラストや登場する化石などを紹介する。
公開初日には関口さんが同博物館を訪れ、サイン色紙と単行本を寄贈。色紙には、登場人物とモササウルス、スピノサウルスが描れていた。寄贈後には関口さんと小原正顕学芸課長がフロアトークを行い、作品の化石発掘シーンをなぞりながら、舞台となる鳥屋城山(とやじょうさん)から出土したアンモナイトや二枚貝などの化石を解説。化石ファンや恐竜好きの親子連れなど約30人が耳を傾けた。
関口さんは、子どもの頃に親戚に連れられ、鳥屋城山で化石を掘ったエピソードを披露。二枚貝の化石ばかり出てくる中でアンモナイトを探し回ったこと、恐竜の化石だと信じていたものが恐竜に似たアンモナイトでがっかりしたことなどを話し、参加者の笑いを誘った。題名の「スキノサウルス」は、ヒロインの口癖が「好き!」であることからスピノサウルスをもじってつけたことやモデルは直情型の次女であることを明かした。
関口さんは「高校まで和歌山に住んでいたので、この作品で地元に恩返しができた。子どもの頃は恐竜や化石が好きでも、そのうちうやむやになってしまう人が多い。そんな眠った夢を掘り起こしてほしい。作中でも今後、大発見があるので注目してほしい」と話す。
市内から訪れた男性は「舞台となる高校のモデルとなった金屋中学校出身で、鳥屋城山で化石を拾ったこともあるので楽しみに漫画を読んでいる。勉強になったので、久しぶりに化石を探しに行きたい」と笑顔を見せた。
開催時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)。月曜休館。入館料は480円(65歳以上、高校生以下無料)。9月4日まで。