「福開き速駈詣(はやがけまい)り」が1月9日、紀三井寺(和歌山市紀三井寺)で開催された。和歌山で活動するランニングチーム「汗濁(あせだく)大学アスリートクラブ」と同寺の共催。
一年の無事を願い、新たな決意をささげようという参拝で、開催は今年で6回目。楼門から本堂まで続く石階段「結縁(けちえん)坂」の210段を2人ずつ駆け上がってもらう。参加者には速駈証を渡し、本堂で参拝してもらった後、寺務所で当日限定の御朱印を授与。タイムを測定し、最も速い男女に「福結び速駈王」「福結び速駈姫」、最高齢者を「健脚王」として表彰するほか、今年からは、新たに10代未満から70代までの年代別表彰も設けた。
開会式で前田泰道住職は「走る皆さんそれぞれの挑戦を胸に、一年の始まりに昇り竜のような走りで運気を呼び込んでもらい、多くの人の一年が幸せなものになることを願っている。ブラボーなパフォーマンスを期待している」とあいさつした。
当日は、県内外からエントリーした8~84歳の男女104人がタイムを競った。陸上部の中高生や地域の陸上クラブメンバー、自衛官、サッカー選手のほか、視覚や運動機能に障害がある人など、さまざまな人が階段を駆け上がり快走を見せた。階段途中で見守る人たちからは「頑張れ」「もうちょっと」「ここから、ここから」などの声援が上がったり拍手が起こったりした。
「福結び速駈王」は昨年に続き、京都府在住の消防士・石田諒太さん。石田さんは「連覇できて、いい一年の始まりになった。今年は長男も走った。成長を見守りながら自分も成長したい。来年は3連覇を目標に出場したい」と話す。
初参加で4代目「福結び速駈姫」に輝いた柴田友香さんは「昨年の速駈姫の佐々木さんに、いつ追い抜かされるかと冷や冷やしながらしながら走った」と話す。「コロナでさまざまな制限があったが徐々に解除されつつある中で、今年は伸び伸びと過ごせれば。来年も連覇を狙って挑戦したい」と笑顔を見せる。