映画「海難1890」のチャリティー上映会と田中光敏監督の講演会が4月17日、和歌山城ホール(和歌山市七番丁)で開催される。主催はNPO法人「エルトゥールルが世界を救う」(井戸)。
同映画は、日本とトルコの友好125周年を記念して2015(平成27)年に全国公開された両国合作作品。物語は、2つの史実を題材に国境を越えた絆を描く。史実の一つは、1890(明治23)年、串本町樫野崎沖で起こった「エルトゥールル号海難事故」。もう一つは、1985(昭和60)年、イラン・イラク戦争勃発時のテヘランで起きた日本人救出劇。撮影は串本町で行われ、地元住民を含む190人が撮影に参加したという。
同NPOは2012(平成24)年、日本とトルコの相互協力による世界平和構築に寄与することを目的に設立。両国間に起こった史実を多くの人に伝えるため、同映画の制作・興行・上映会開催の支援などを行ってきた。現在は国内外に800人以上の会員がいる。
同NPO理事の西廣真治さんによると、2月6日のトルコ・シリア大地震では、支援を申し出る問い合わせが発生直後から同NPOに寄せられたという。ホームページで義援金を募り、3日時点で160万円を集めている。より多くの義援金を届けるため、チャリティー上映会を企画した。収益は全額、駐日トルコ共和国大使館(東京都渋谷区)に寄付する。
西廣さんは「日本とトルコには1890年から130年を超える絆がある。『困った人を助ける』という国境を超えた思いが根底にある。たくさんの人に作品を鑑賞してもらい、支援をお願いしたい」と呼びかける。「今、改めて国と国の絆の必要性を感じている。エルトゥールル号を知らない若い世代にもぜひ鑑賞してほしい」とも。
当日は、同作品監督の田中光敏さんの講演後、上映する。
16時開場、17時開演。鑑賞料=1,000円(高校生以下は保護者同伴で無料)。当日券のみ。定員は900人。