科学技術賞(技術部門)と創意工夫功労者賞の文部科学大臣表彰伝達式が4月25日、和歌山県庁で開かれた。
文部科学省が科学技術に携わる人の意欲向上を図り、日本の科学技術の水準の向上を目指す同表彰。科学技術賞(技術部門)は全国で14人を選出。県内では、家庭用品の製造・販売を行う「キクロン」(和歌山市六番丁)社員の塩田かおりさんが受賞した。
塩田さんはデザイン専門学校出身。同社の企画・開発部門に30年以上在籍し、ボディータオルの開発などに従事した。現在は広報室長を務め、同社のブランディングを担う。塩田さんが開発部門在籍時に手がけた泡立ちと肌触りを「追求した」ボディータオルとその製造方法の開発が評価された。
塩田さんは「入社直後は製造の知識がなく、先輩や職人の皆さんから繊維のこと、織り方など一から教えてもらった。職人の皆さんと試行錯誤しながら独自の織り方のボディータオル開発に取り組んだ」と話す。「高度な技術を持った職人のほか、営業担当者や販売店の皆さんとの協働があったから作ることができた。改めて感謝したい。大好きなタオルをたくさんの人に知ってもらうきっかけになれば」と話す。
そのほか、県内では優れた創意工夫で職域の技術の改善向上に貢献した人に送られる創意工夫功労者賞を2人が受賞。「八旗農園」(紀の川市)の中浴泉さんは、緑色保持キウイピューレの製造技術を考案した。「有本農園」(みなべ町)の有本陽平さんは、ウメ「翠香」の香りを生かしたシロップ作りが評価された。