「能登復興特別御朱印」の頒布が2月1日、刺田比古(さすたひこ)神社(和歌山市片岡町2)で始まった。
能登の海岸の風景を描き大伴家持の歌を書いた「能登復興特別御朱印」
小学校6年の女児が描いた能登の海岸の絵に大伴家持が能登の美しさを詠んだ歌を書いた同御朱印。奉納料は500円で、収益は全額被災地へ寄付する。
平安時代の書物「延喜式」に掲載され、8代将軍徳川吉宗とゆかりのある同神社。神武御東征の時に活躍した道臣命(みちのおみのみこと=大伴氏の祖先神)、百済救済の武功で知られる大伴佐弖比古命(おおとものさでひこのみこと)を祭る。大伴氏とのゆかりにちなみ、毎月大伴家持が編さんしたとされる万葉集の歌を掲載した御朱印を頒布している。
そのほか、例年1年かけて天災の収束と国家安泰、世界平和を祈願して行う「一万度の祓(はらい)」に加え、復興祈願の「一万度の祓」を実施。1日200度ほど行っており、1月末までに約5000度行った。
禰宜(ねぎ)の岡本和宜さんは「記憶が薄れないよう思いを込めて御朱印を用意した。能登の人からも問い合わせを頂いている」と話す。「当神社は戦災で社殿や宝物、古記録を消失している。なくならないと思っていたものも、戦災や災害などで一瞬でなくなってしまう。心のどこかで意識し、被災地に思いをはせてほしい」とも。
特別御朱印の頒布は1年間。