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和歌山城公園動物園の「ベニー」しのんで100束の花と80通の手紙

献花台に供えられたツキノワグマ「ベニー」宛ての手紙の一部

献花台に供えられたツキノワグマ「ベニー」宛ての手紙の一部

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 和歌山城公園動物園(和歌山市一番丁)のツキノワグマ「ベニー」をしのぶ献花台の設置が8月25日終了し、100束近い花束と約80通の手紙が集まった。

「ベニー」のクマ舎前に掲示された「飼育員からのお知らせ」

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 ベニーは1994(平成6)年に来園した推定31歳の雌。2022年から体調不良のため飼育展示を休止し、様子を見ていたが、7月18日、クマ舎内で横たわり、死んでいた。和歌山市が園内に献花台を設置するのは今回が初めて。和歌山城整備企画課の職員によると、7月20日9時の献花台設置前から園舎の前には花束が供えられていたほか、設置準備中にも花を手にした来園者が列を作ったという。

 手紙は、まだ文字の書けない幼児をはじめ、高齢者まで幅広い世代から供えられた。「いつも静かに話を聞いてくれてありがとう」「ベニーちゃんがそこにいるだけでうれしかった」「ベニーのおかげでツキノワグマのことが分かった」「生まれ変わってまた和歌山城に来てほしい」「天国でもほかの動物たちと楽しく過ごしてほしい」「お城の動物園をずっと見守っていて」など、ベニーとの思い出や感謝の気持ち、愛情の言葉がつづられていた。

 同課の西口江里香さんは「初の試みで献花に来てもらえるか、心配だったが、連日たくさんの花や手紙が供えられ、ベニーが市民に愛され、大切にされていたことを実感した。かわいいだけでなく、動物園としてツキノワグマの生態を教えてくれる存在でもあった」と話す。「ベニーと共に大きくなった人が、子どもを連れて来園することも多く、和歌山城の動物園といえばクマをイメージする人も多い。飼育員も落ち葉を入れたり、きれいなおがくずをいれたり、ベニーが快適に過ごせるよう、一生懸命飼育してくれた。最後に元気な姿を皆さんに見せたかった」とも。

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