見る・遊ぶ

和歌山で「歌舞伎鑑賞」入門公演 「立ち回り」ワークショップも

「棒しばり」の一幕

「棒しばり」の一幕

  • 0

  •  

 和歌山県立文化会館(和歌山市小松原通1、TEL 073-436-1331)で6月16日、「平成27年歌舞伎鑑賞入門公演 棒しばり」が行われる。主催は和歌山県文化振興財団。

和歌山県立文化会館

[広告]

 同公演は地域の文化振興と学生への情操教育の一環として1976(昭和51)年に始まり、今年で40回目。「歌舞伎をもっと身近に」をコンセプトに、神戸文化ホール(兵庫県神戸市)と協力して開催する。

 当日は3部構成で、第1部は実演と解説を行う「歌舞伎ワークショップ」。昨年は化粧をテーマに解説が行われ、3人の学生が舞台に上がって実際に化粧をした。今年のテーマは歌舞伎独自の演技である「立ち回り」。動きやその意味について解説を行い、来場した学生に舞台上で指導する。

 第2部は「雨の五郎」を上演。曽我の五郎が、大磯の遊郭の化粧坂(けはいざか)の少将のもとに通う姿を舞踊にしたもの。第3部の「棒しばり」は狂言を歌舞伎舞踊に仕立てた演目だ。主人の留守の間に盗み酒をする家来2人の手を縛り、酒を飲めないようにするストーリー。能舞台をまねて舞台正面に老松を描いた舞台装置を使うことから、「松羽目もの」と呼ばれる。

 出演は昨年に引き続き、菊月喜千壽(きくづききちじゅ)さん、千川喜楽(せんかわきらく)さん、一越和城(いちこしかずしろ)さん。菊月喜千壽さんは1977年、9代目坂東三津五郎に入門し、名題(看板に名前がのる)まで昇進した。2001年に坂東三津右衛門(ばんどうみつえもん)として日本俳優協会賞奨励賞を受賞。2010年に大歌舞伎の歌舞伎俳優を引退し、日本舞踊菊月流を創立した。現在は義足で舞台に上がる。

 総務企画課の木下尚実さんは「菊月喜千壽さんはとても優しい方で、昨年もワークショップで丁寧に解説した。演技を間近で見ても、義足だとは分からない見事な立ち回りを披露してくれる。本格的な歌舞伎を解説付きで鑑賞できる貴重な機会。ぜひ会場に足を運んでほしい」と呼び掛ける。

 14時開演。入場料は一般席(2階のみ)=1,500円、学生=800円。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース