和歌山県立紀伊風土記の丘(和歌山市岩橋、TEL 073-471-6123)は12月8日、来園者が「モノ作り体験」で作成した埴輪(はにわ)の人気投票を行う「HANI-1選手権! ~21世紀の埴輪王は君だ!~」を開始した。
同園は、国の特別史跡「岩橋(いわせ)千塚古墳群」の保全と公開を目的として作られた博物館施設で、園内には430以上の古墳が点在する。広さは65ヘクタール。
古墳群からは「両面人物埴輪」や「翼を広げた鳥形埴輪」など、ここだけで出土する珍しい埴輪が多数あり、それらの展示に合わせて「独創的な埴輪を作ってほしい」とHANI-1選手権を企画したという。
学芸員の瀨谷今日子さんは「埴輪と勾玉(まがたま)作り体験を毎週行っているが、通常の参加は2~3組程度。しかし、HANI-1選手権の告知後は、『出品してみたい』と多くの人が集まるようになり、とてもうれしかった。和歌山市からの来園が多かったが、大阪南部など遠方からの参加もあった」と話す。
HANI-1選手権に出品された埴輪は、全て同じ量の粘土と道具を使い、1時間ほどの体験時間内で作られたもの。土台など基本的な作り方は教わるが、それ以外は自由に創作する。最年少の参加者は3歳。
「一度手を動かして作ったものは忘れないと思う。埴輪や古墳を身近に感じてもらうためにも、今後もいろいろな体験企画を続けられれば。HANI-選手権もたくさん投票が集まれば、2回目を企画したい」(瀨谷さん)。
投票は「一般の部」「小学生以下の部」の2部門から、それぞれ気に入った作品を選ぶ。園内と、公式ウェブサイトで受け付けている。12月25日まで。