和歌山市立和歌浦小学校(和歌山市和歌浦西2)で12月4日、和歌浦干潟のアサリ資源復活に向けた環境学習会が開催された。水産庁による「水産多面的機能発揮対策事業」の一環で、主催は和歌浦漁業協同組合と「海辺の教室」。
同事業は水産業の再生・漁村の活性化を図るもので、今回の取り組みは和歌浦干潟のアサリを対象としている。環境学習会は全3回。
児童たちはこれまで、和歌浦干潟の生き物観察や実験を交えた干潟に関する授業など、地元・和歌浦干潟について学習した。3回目となる今回は、減少している干潟のアサリ資源を復活させるため、アサリを竹筒の中で育てる試みを体験。このプロジェクトを「かぐや姫」ならぬ「アサリ姫」と名付け、アサリ姫を外敵から守る竹筒「なよ竹部屋」作りに取り組んだ。
和歌浦干潟ではツメタガイやナルトビエイの食害でアサリが減少し、ここ数年 は潮干狩りが中止されている。アサリ姫プロジェクトはこれらの外敵からアサリを守り、育てようというものだ。
当日は3年生41人が参加し、和歌浦漁協の漁師たちと一緒になよ竹部屋を作った。「海辺の教室」代表で和歌山県環境学習アドバイザーの平井研さんは「今回のプロジェクトで育てられるアサリ資源はわずか。しかし、地元の漁師さんと一緒に海の問題を解決していくことで、地域の宝物である和歌浦干潟に興味をもってほしい」と期待を込める。
参加した有田海人(9)くんは「ナタで竹を切るのが大変だったけど、竹筒づくりはとても楽しかった」と振り返る。「アサリ姫で海をきれいにしたい」とも。
同プロジェクトは来春、竹筒を干潟に設置してアサリ育成を始める計画。