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和歌山「ねごろ歴史の丘」に旧県会議事堂を移築 明治の大規模和風建築を観光資源に

根来寺境内から移築された旧県会議事堂

根来寺境内から移築された旧県会議事堂

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 「ねごろ歴史の丘」(岩出市根来)に4月1日、「旧和歌山県会議事堂」が復元整備された。

建物の中央部にある議場

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 旧県会議事堂は1898(明治31)年、和歌山城東側・和歌山市一番丁に建てられた。1938(昭和13)年に会議場を備えた現県庁舎が新築されたため、1941(昭和16)年に美園町へ移築。さらに1962(昭和37)年に根来寺(岩出市)に移築し、「一乗閣」と呼ばれた。今回の移築計画は2012年から始まり、約15億円をかけて完了した。

 当時の県庁舎が洋風建築であったのに対し、議事堂は木造真壁造り、しっくい塗りの和風の建築で、現存する木造和風の県会議事堂としては国内最古という。2005年には県文化財に指定され、保存と活用のために今回の復元に至った。

 建物には「本館」「議場」「控室」の3つのエリアがある。本館は接見室や議長室、議場は正面が床の間で2階は傍聴席。控室は県執行部が使ったエリアで、高等官控所や応接室、参事会員室などがある。これまでの移築でそれぞれ改造されてきたが、今回の復元では綿密に調査を行い、古材をできる限り修繕しながら建築当時の姿に戻したという。

 岩出市産業振興課の今井雅人課長は「関西の方、シニア層の方を中心に、移築後約1カ月で約5800人の来場があった。建築面積が1000平方メートルを超える大規模な和風建築は珍しいので、驚く人が多い。和歌山県民からは美園町にあったころを思い出して『懐かしい』という声をよくもらう」と話す。「秋の行楽シーズンに向けて、バスツアーの立ち寄り場所に組み込んでもらえるよう働きかけたい」とも。

 6月19日には岩出市誕生10周年記念事業として、同議事堂で東京海洋大学名誉博士で客員准教授の「さかなクン」さんによる環境問題の講演会が開かれる(事前申し込み制、抽選入場)。

 開館時間は9時~17時(最終入館16時30分)。火曜・年末年始休館。

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