紀の川市の百合山周辺で4月1日、第30回「百合山新四国八十八カ所花まつり」が開催された。主催は「百合山の自然と遺跡を生かす会」。
1857(安政4)年に開設されたという「百合山新四国八十八カ所」霊場札所や遍路道の整備、展望所設置、植林などを1984(昭和59)年から行ってきた同団体。同イベントは1988(昭和63)年から開催している。
当日は、僧侶による合同法要や弘法大師像前で念仏講による御詠歌を奉納したほか、八十八カ所巡拝も行われた。朝から雨が降るあいにくの天候となったが、多くの参拝客が訪れ、札所では「お接待」として菓子を配った。午後からは竹房橋北詰めの河川敷で、打田中学校の吹奏楽演奏、打田太鼓「天翔」演奏、演歌歌手・宮本静さんの歌謡ミニコンサート、百合山大師おどり、餅まきが行われた。
同まつり恒例の目玉イベント「パラグライダー餅まき」も行った。会場の河川敷がスカイスポーツの着地点として利用されることから、1993年に始まった。寺山のテイクオフ基地から飛び立った2機のパラグライダーは、会場の上空から合計10組のパラシュート付きの袋を投下。子どもたちは風に流れるパラシュートを追いかけ、餅拾いに走った。袋には番号付きの餅を入れてあり、拾った人にはお菓子などの景品がプレゼントされた。
パラシュート付きの餅まきの後、軽トラックからの餅まきも行われ、2俵分の餅や菓子を投げると、集まった人たちは袋を手に一斉に拾っていた。
同団体会長の榎本喜之さんは「今年は桃の花も桜の花も咲いておらずとても寒かったが、500人ほどが参加してくれた。最近は花まつりが知られるようになり、サイクリングイベントの参加者やグループでウォーキングに来た人などたくさんの人が来てくれてうれしい。桜が開花したら百合山山頂でライトアップもするので、ぜひ足を運んでほしい」と呼び掛ける。