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ふるさと和歌山で「下村観山展」 大英博物館所蔵の里帰り作品も

和歌山県内では45年ぶりとなる回顧展「下村観山展」

和歌山県内では45年ぶりとなる回顧展「下村観山展」

 日本画家・下村観山の巡回展「下村観山展」が5月30日、和歌山県立近代美術館(和歌山市吹上1、TEL 073-436-8690)で始まった。

和歌山市出身の日本画家・下村観山作の重要文化財「弱法師」

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 下村家は江戸時代から紀州徳川家に仕えた能楽師の家系。観山は東京美術学校の1期生で岡倉天心に学んだ。卒業後は日本美術院の創設に参画し、横山大観らとともに近代日本画界をけん引した。

 同展は、東京国立近代美術館(東京都千代田区)で3月17日から開催された展覧会の巡回展で、和歌山県内では1981(昭和56)年以来45年ぶりの回顧展となる。展示は2部構成で、代表作を中心に観山の生涯と芸術、社会との関わりをたどる。会期中大幅な展示替えを数回行い、重要文化財「弱法師(よろぼし)」(展示期間=5月30日~6月28日)や和歌山会場限定出品の「白狐」(6月23日~7月5日)、「春雨」(7月7日~20日)を含む総作品数141点、資料53点を展示する。

 第1部「画業をたどる 生涯と芸術」では、修業時代からイギリス留学中の作品、日本や中国の古画の技法に西洋絵画の表現を融合させた日本美術の革新的な作品などを時代と共に紹介する。留学時に親交を結んだ作家アーサー・モリソン旧蔵の作品5点を、大英博物館から里帰り展示する。

 第2部「制作を紐(ひも)解く 時代と社会」では、観山を取り巻く人々や時代、社会と作品制作の意図を紹介する。観山作品の土台となった日本や中国の伝統的絵画の新たな解釈と表現の試み、能や宗教画、注文制作を通じて、観山が向き合った日本近代の文化的アイデンティティーを解説する。

 会期中、学芸員による展示解説(6月21日、7月11日)や日本画の筆について学ぶワークショップ「観山先生の筆を作ってみる」(6月14日、要申し込み)などの関連イベントを開催。松平健さんの音声ガイド(1台700円)や単眼鏡(1台300円)のレンタルなども行う。

 同館の宮本久宣主任学芸員は「観山は、和歌山に生まれた先人として名前を紹介されるが、東京や横浜で活躍したため地元に作品がほとんど残っていない。今回は大英博物館のほか、国内にある重要作品を一堂に集めた特別な機会。重要文化財の『弱法師』とほかの観山作品を一緒に見られるのも今だけなので、見逃さないでほしい」と話す。「観山がどういう画家であったのか、改めて見て知ってもらいたい。観山の生涯と合わせて、時代的な背景や社会的なつながりと芸術の関係についても考えてもらえたら」とも。

 開館時間は9時30分~17時(入場は16時30分まで)。月曜休館(7月20日は開館)。観覧料は、一般=1,500円、大学生=1,000円。高校生以下・65歳以上・障害者手帳保持者無料。7月20日まで。

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