今年の梅酒仕込み作業が6月5日、酒造会社「中野BC」(海南市藤白)で始まった。
同社では、和歌山県産「南高梅」の実を、醸造アルコールと砂糖を入れた高さ4.2メートル、直径2.6メートルのほうろう製タンクで漬ける。今年は約300トンのウメを使い、約1万8000リットルタンク36基分を仕込む。漬け込み作業は6月末まで約1カ月間続くという。
梅酒造りを統括する「梅酒杜氏(とうじ)」の藤原弘彰さんによると、暖冬に加え冬から春の雨不足、ウメの開花以降の冷え込みなどにより着果(ちゃっか)数が少なく、市場全体では3年連続の不作になったという。同社は例年と同量の南高梅を仕入れる見込みで、梅酒の製造は予定通り行う。
当日は、2Lサイズ(約4センチ)の県産南高梅8.5トンを水洗いし、藤原さんを筆頭に職人9人がタンクにウメを投入した。この日に仕込んだ梅酒は11月20日に「香る南高NOUVEAU(ヌーボー)」として出荷する。
藤原さんは「3月と5月にはひょうが降り、収穫期に入ったところで台風もやってきて、年々気候が不安定になりウメの実にも大きな影響が出ている。ウメが入荷するまで不安だったが、大粒でキズが少なくこれ以上ないよい実が届いたので安心した」と話す。「生産者が苦労して育てた貴重なウメを大切に、ウメのエキスを存分に引き出した酸味と甘みのバランスのよいおいしい梅酒を届けたい」とも。