和歌山で大人限定「夜の水族館」 デビュー控えたアカウミガメにエールも

保護されて成長したアカウミガメ

保護されて成長したアカウミガメ

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 和歌山県立自然博物館(海南市船尾、TEL 073-483-1777)で12月22日、夜の水族館を見学する「大人の夜の水族館」が行われた。

バックヤードの水槽を眺めながら歩く参加者

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 同イベントはバックヤードと照明を消した夜のサカナやエイなどを公開する企画で、2015年に始まり3回目。毎回100人弱の応募者の中から定員30人の参加者を抽選するという。

 同館は1982(昭和57)年に開館。県内に生息・生育する水にすむ生きものの展示を中心に、動物や植物、昆虫、貝、化石などの標本などを展示、収蔵している。サカナや無脊椎動物ははく製にすると色が抜けやすいことから、生きた状態で展示しようと展示スペースの7割に水槽を設置している。

 同イベントでは、消灯した館内の水槽を懐中電灯で照らして観察するほか、病気やけが、発育の状況などを理由にバックヤードの水槽で待機する生き物たちや、標本として瓶詰めした魚類などを見学した。水量450トン、ガラス幅15メートルの大水槽の上側には清掃時に着用するウェットスーツや、餌のアジやイカを保管する冷凍庫、調理用の流し台などがあり、参加者たちは学芸員に質問したり、撮影したりして楽しんだ。

 昨年、同館は砂浜で生まれ仮死状態だったアカウミガメを保護。バックヤードの水槽で飼育し無事に成長した。「大水槽デビューを控えている」と聞いた参加者は「長生きするんやで」とエールを送った。

 海南市から訪れた女性は「夜のサカナは底にへばりついて休んでいたり、泳ぐ速度がゆっくりになっていたりした。子どもが幼いときはよく来ていたが、改めてじっくり観察してみると何という名前だろうと疑問に思ったり、個体ごとの性格が見えたりして面白い。大水槽のバックヤードも見学できて満足」と笑顔で話す。

 学芸員の竹中利明さんは「夜の水族館は大人向け以外にも子ども向けにお化け屋敷大会や、親子向けにクイズ大会などをやってきた。水生生物だけでなく和歌山の自然をわかりやすく紹介しているので、子どもも大人も足を運んでほしい」と呼び掛ける。

 次回の裏方探検ツアーは1月27日と2月10日に開催。

 開館時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)。月曜休館。入館料は470円(65歳以上、高校生以下無料)。

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