海南のJAながみねの「蔵夢選果場」(海南市下津町下)で1月19日、蔵出しミカン「雛(ひな)みかん」の出荷が始まった。
下津地域は蔵出しミカン「しもつみかん」の産地。12月に収穫した果実を木造土壁の倉庫で貯蔵したもので、厚さ約20センチの土壁で覆われた倉庫で一定の温度や湿度で貯蔵することで酸味が抜ける。中でも糖度12度以上の果実を「雛みかん」として出荷する。
ひな人形の祭壇に「左近の桜」「右近の橘(たちばな)」として、ミカンの原種タチバナを飾ることにちなんで名付けられた同ミカン。19日は選果場で、ミカンの神社として知られる橘本神社の宮司が無病息災と子どもたちの健康を祈願した。
JAながみねの森本良之さんは「今年は天候の影響でミカンの収穫量は例年より2割~3割少ないが、厳選した雛みかんは甘味たっぷりだ。ひな壇のあるご家庭ではお供えして楽しんでほしい」と話す。
販売期間は3月中旬まで。出荷予想量は約100トンで東京や大阪の市場出荷するほか、ファーマーズマーケット「とれたて広場」(重根西2、TEL 073-487-0900)などで販売する。