コウノトリの「かけるくん」が有田川町特別住民第1号として特別住民票を発行されて1カ月がたった。
「かけるくん」の代わり特別住民票を受け取る、コウノトリの野生復帰に尽力する町民の岩﨑州男さん(右)
特別住民票は、町を内外に広報し、産業の振興、地域の活性化および歴史文化の発展に寄与すると認めた動物や物を「特別住民」として登録し、交付する制度。同町は、コウノトリが長期滞在していることを記念し、特別住民票を交付した。
コウノトリは、東アジアに分布するコウノトリ目コウノトリ科の鳥。国内では明治期に乱獲があり、1971年に豊岡市で捕獲された個体を最後に日本の野生群は絶滅した。世界では、推定総数1000~2500羽で、ワシントン条約付属書1に掲載される絶滅危惧種。現在国内では、福井県や兵庫県で、中国やロシアのコウノトリを飼育・繁殖・放鳥し、野生復帰を目指している。
かけるくんは、2017年5月14日福井県生まれのオスのコウノトリ。同年10月8日に越前市で放鳥され、その後和歌山県を中心に滞在。有田川町には昨年12月中旬から300日以上滞在している。右脚に「黄黄」、左脚に「青青」の足環をつけている。
同町商工観光課の栗栖悠起さんは「コウノトリの特別住民登録は、全国で7例目。町民からは『珍しいコウノトリが居ついてうれしい』『数日町外に行っていたようだが戻ってきてくれて感動した。どんどん幸せを運んできてほしい』と声が寄せられている」と話す。「特別住民登録後は、遠方からの来町者が増え、町民も以前より気に掛ける人が増えた」とも。