南海本線和歌山大学前駅近くのノーリツアリーナ和歌山(和歌山市梅原)で4月26日・27日、NBL(ナショナルバスケットボールリーグ)の和歌山トライアンズがアイシンシーホース三河との対戦で2連勝し、西地区レギュラーシーズンを逆転優勝で飾った。
和歌山トライアンズは、昨年活動を休止した「パナソニックトライアンズ」を継承し、和歌山県内の企業の支援を受けて再結成したチーム。1年目ながら快進撃を見せ、2月にはウエスタンカンファレンスの上位3チームが進出できるプレーオフへの出場を決めていた。
対するシーホースは昨年のJBL(日本バスケットボールリーグ)優勝チーム。今季の対戦成績はトライアンズの4戦4敗で、昨年10月5日に行われた初のホームゲームでは2桁の点差をつけられ、手痛い敗北を喫していた。
「アイシン三河は強いチームで弱点がない。スイッチ(ディフェンスでマークする選手を交換するプレー)で少しでも遅れたりミスをしたりすると、すぐに攻撃をしかけて得点を決めてくる」と分析するのは、トライアンズのジェリコ・パブリセビッチHC(ヘッドコーチ)。今回の試合については「シーズン前から超満員になることを望んでいたので、とてもうれしい」とも。
観客数は、26日=1912人、27日=2266人。27日はチケットが完売し、同アリーナで初めての満席になったという。
26日は序盤からトライアンズがリードし第4ピリオドを迎えた。残り37秒で1点差に詰め寄られるも、今シーズンで引退を表明しているキャプテン永山誠選手がスリーポイントシュートに成功。再び突き放し、86対82で勝利を収めた。
1ゲーム差に迫った27日は、トライアンズの先制点でスタート。第4ピリオドまでリードを保ったが、残り41秒でシーホースのスリーポイントシュートが決まり、同点に。
5分間の延長戦でも接戦が繰り広げられ、最後は川村卓也選手の試合終了間際に放ったシュートがきれいな弧を描き、試合終了のブザーが鳴り響く中でのゴール。88対86で逆転優勝を決めた試合に観客は総立ちとなり、ノーリツアリーナが歓声に震えた。
「選手たちはこれまで最大限の努力を重ね、最後の連戦で大きく強いハートとバスケに関するすべての知識をコートにぶつけたと思う。多くのブースターとメディアの皆さんが喜べるゲーム内容だったのでは」(ジェリコHC)。
試合後は、最後のホームゲームとなった永山選手の引退セレモニーが行われた。ファンから花束を受け取ったミスタートライアンズは「僕はこのホームコートで試合をするのが好きだった。皆さんの声援が僕の力になった。これはチームメイトも変わらない思い」とあいさつ。「来シーズン以降も、変わらず和歌山トライアンズに力を貸してください」と感謝の言葉で締めくくった。
同チームは5月10日、愛知県体育館のプレーオフに臨む。