和歌山を舞台にした演劇「酔筆奇術偏狂記」が9月29日、和歌山市民会館(和歌山市伝法橋南ノ丁)で上演される。主催は「演劇街道きのくにプロジェクト」。
実在したマジシャン・金沢天耕さんの自叙伝を舞台化した同公演。明治から昭和にかけ、和歌山市を舞台に、主人公・金沢さんを取り巻く人間模様とマジックの黎明(れいめい)期の移り変わりを描く。金沢さんは、アマチュア手品サークル「和歌山マジシャンズクラブ」を結成。現在も存続する同クラブが劇中に登場し、マジックを披露する。
金沢さんの孫で創作家「三名刺繍(ししゅう)」として活動する金沢寿美さんが和歌山公演を「一緒に作り上げたい」という地元住民と、新たに「演劇街道きのくにプロジェクト」を発足。祖父の名と合わせ、実名で名を連ねる。
同作は、2014(平成26)年に「HEP HALL」(大阪府)で寿美さんが所属する「劇団レトルト内閣」が初上演。和歌山公演では、地元出身俳優の起用やオーディションの開催を行い、紀の川市出身の坂口勝紀さん、田辺出身の栗須香練さん、和歌山市内を中心に活動する劇団ノスタルジアを主宰の岡崎義章さん、和歌山放送アナウンサーの覚道沙恵子さんなどが出演するほか、和歌山のシーンを増やすという。
寿美さんは「故郷の和歌山公演を実現したかった。せりふに和歌山弁を使い、和歌浦やぶらくり丁、アロチなどが舞台。街の歴史や当時のにぎやかな和歌山市を舞台で表現する。演劇とマジックが同時に見られて二度おいしいので、ぜひ見に来てほしい」と呼び掛ける。
13時~、16時30分~の2回公演。チケットは、前売り=3,000円、当日=3,500円。チケットは、ウェブサイトのほか、和歌山市民会館、海南市物産観光センター(JR海南駅構内)などで取り扱う。