里親講座・里親相談会「里親のいろは~里親を知ろう」が10月26日にイオンモール和歌山(和歌山市中字楠谷)、31日に和歌山市役所(七番丁)で開催される。主催は和歌山県と和歌山市、和歌山市里親会(児童養護施設つつじが丘学舎内、TEL 073-480-1043)。
10月は厚生労働省が定めた里親月間で、和歌山市では市役所ロビーや街頭での啓発活動、個別相談会などを実施する。今年はより広く市民に理解を深めてもらい、里親登録の増加につなげようと県と市、里親会の3者が合同で初の啓発イベントを開く。
当日は、児童相談所職員による制度説明と支援専門相談員の活動報告をするほか、2人の里親が体験談を語る。講座後は個別相談会を開く。
厚生労働省の発表では、平成30年度の児童相談所の相談件数は速報値で15万件を超え、過去最多。平成28年の児童福祉法改正で、家庭養育優先の理念を規定されたが、和歌山県では、社会的養護が必要な児童約450人に対し、2019(平成31)年の里親の登録数は129家庭で里親委託率は17.9%。里親は年々増加の傾向にあるが、対象児童に対して不足が続いている。
里親制度は、さまざまな事情で親と離れて暮らす子どもを家庭に迎え、家族で暮らす機会を提供する制度。養子縁組を結ぶ「養子縁組里親」や一定期間自分の家庭で養育する「養育里親」、長期休みや週末など数日から1週間程度迎える「季節・週末里親」などがあり、必要経費を国や自治体が支給する。
和歌山市子ども総合支援センターの中井亜沙美さんは「講座では和歌山で里親をされている人から体験談を話してもらう。大変なこともあるが、うれしいことも良いこともあることをたくさんの人に知っていただければ」と話す。
和歌山県子ども未来課の坂口まゆみさんは「まだ制度が十分に理解されておらず、里親に種類があることもあまり知られていないし、裕福な人しかなれないなどの誤解もある。児童相談所や専門の相談員などの相談窓口を設けたり、里親同士が交流できるサロンなどを用意したりして一人で抱えこまず、みんなで子育てしていく制度になっている。講座を通じて里親制度の理解を広げたい」と意気込む。
開催時間は両日とも13時30分~15時30分。事前申し込みが必要。