和歌山県産オリジナルイチゴ品種「まりひめ」が3月18日、誕生から10周年を迎える。
まりひめは、和歌山県農業試験場が育成し、2010(平成22)年3月に品種登録。わせで実の付きが良い「章姫」とコクのある食味の「さちのか」を交配して作った。県の民芸品「紀州てまり」のようにかわいらしく、愛される品種となることを願って名付けられた。
県内でのイチゴの栽培は1955(昭和30)年ごろから始まった。現在、栽培している主な品種は「さちのか」と「まりひめ」で、紀の川流域や海岸沿岸部などで広く栽培する。2010(平成22)年のまりひめ栽培面積は5.7ヘクタールだったが、10年で約3倍の16.2ヘクタールとなり、和歌山県いちご生産組合連合会に所属する会員244人のうち178人が栽培している。2019(令和元)年産の県内のイチゴ栽培の約60%を占める。
和歌山県農林水産部の岡室秀作さんは「まりひめは形がよく大きな鮮やかな紅色の実で、果肉も赤みを帯びているのが特徴。甘みが強くて優しい酸味がある。和歌山では12月から5月頃にスーパーマーケットや直売所で販売される。10年間でたくさんの人に認知された」と話す。「この10年は県内の流通で県民の皆さんに知ってもらい、育ててもらった。これからは県外へも魅力を伝えていきたい」とも。
まりひめの出荷は5月上旬ごろまで。