和歌山商工会議所青年部(和歌山YEG)が3月16日、地域経済を循環・活性化するための「BUY LOCAL(バイローカル)」運動の提言を和歌山市に提出した。
和歌山市役所1階ロビーに貼られているBUYLOCALのポスターと和歌山市役所の坂東さんと国生さん
同青年部は、課題である地域経済活性化のため、「会員のための政策提言委員会」を2018(平成30)年に設置。テーマを「地域内経済循環の活性化」とし、自らもアクションする提言活動を行うことを決め、調査研究などを行い今回の提出に至った。提言活動に取り組むのは今回が初めて。
「バイローカル」運動は世界各地の自治体や地域で取り組まれる経済キャンペーン。市民に地元での買い物を呼び掛け、促進することで、良い事業者を育て、地域の魅力向上を狙う。
今回の提言では、地域経済を循環させ、地域内需要の創造や住民所得の向上を図る。和歌山市民、約36万人が1人当たり月500円を地域内での消費に振り替えれば、年間20億円以上の消費移動ができるとしている。実証実験において、同メンバーが経営する33店舗で行ったところ、総額110万円を売り上げたという。
市では今後、職員への呼び掛けと効果測定のため市民アンケート調査を行うほか、市報を使った広報を行う。市役所の坂東伸哉さんは「これまで事業者向けの取り組みをしてきたが、消費者向けの取り組みはできていなかった。この提案はとてもありがたい。和歌山YEGのみなさんと協力し、進めていきたい」と意気込む。
提案したメンバーの有井安仁前委員長は「プロセスを大切にし、全員が納得した提言を作り上げた。調査研究の際、メンバーで2カ月間のレシートを集めてみたが、地元以外の店舗やインタネートを利用しており、意識して地元店舗を利用する必要性を感じた。今回の提言が地元で買ったり食べたりを意識するきっかけになれば」と話す。「地元での購買が、自分が住みたい地域を創ることにつながる。小さな商売が成り立つ街は個性があり魅力的。時間はかかっても、地元で買うことが楽しくてかっこいいという価値観を広げ、文化として定着させていきたい」と意気込む。
和歌山YEGでは今後、和歌山商工会議所に加盟する約3000の事業所に対し、ステッカーやポスターを配布してバイローカルの理念を普及させ、事業主や従業員、買い物客にも啓発していく。