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和歌山県立紀伊風土記の丘で企画展「No工具、No Life」 貴重な木製の出土品展示

和歌山市で出土された木製の腰掛け

和歌山市で出土された木製の腰掛け

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 冬季企画展「No 工具、No Life 『木の国』一万年の工具箱」が現在、和歌山県立「紀伊風土記の丘」(和歌山市岩橋、TEL 073-471-6123)で開催されている。

現代の大工道具

 同展は、立野遺跡(すさみ町)や井辺遺跡(和歌山市)などから出土した良好な状態の木製品とともに、縄文時代から現代の木製品の加工に使った木工具から見える人々の営みを紹介する。木製品は建築材料や農具、調理器具、食器など、古くから使われてきたが、地中で腐食するため、形状を保った状態での発見は少ない。展示数は約200点。

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 同展では木工具の歴史を、手に持ち使う石器を木の柄につけた石斧(せきふ)に始まると紹介。県内では1万年以上前の縄文時代草創期に、石の一部を磨いて刃にした局部磨製石斧や丸ノミ状磨製石斧が出土している。石斧は鉄製品が登場するまで伐木や木材の加工、道具製作までの全工程を担う「万能工具」として紹介する。木製品は、田畑を耕す鍬(くわ)や食べ物を入れる容器、さじ、腰掛、布を織るときに使う布送具(ぬのおくりぐ)などを展示する。

 鉄製工具の登場以降、作業時間の短縮や鋭い刃でさまざまな木材の切断が可能になり、加工できる樹木の種類が広がった。古墳時代中期には、おのやヤリガンナ、のこぎり、きりなど、大工道具がほぼ出そろったと紹介。江戸時代には、直線を削る道具や曲面を削る道具などのように、一つの作業に特化した道具が増え、現代の大工道具までの変遷や役割を解説する。

 学芸員の瀬谷今日子さんは「縄文・弥生時代の道具と聞くと原始的なイメージがあるかもしれないが、大昔の工具や木製品は現代とほとんど変わらない。生活を支えてきた工具からつながりを感じてもらえたら」と話す。

 開館時間は9時~16時30分。月曜休館。入館料は一般=190円、大学生=90円、高校生以下・65 歳以上・障害者手帳等を持つ人・県内在学中の留学生=無料(要証明書)。2月28日まで。