廃棄される布からエコバッグを作る「ブーメランバッグ和歌山」が1月23日、活動1周年を迎えた。
「ozz kitchen(オズズキッチン)」で販売する「わっぱ弁当のためのブーメランバッグ」
「ブーメランバッグ」はプラスチックによる環境汚染問題解決のため、2013(平成25)年にオーストラリア東海岸で始まり、現在、世界で1130グループが活動する。これまでに52万個のバッグを作った。
ブーメランバッグ和歌山代表でグラフィックデザイナーの貴志真帆さんは、オーストラリアに住む知人の土産でブーメランバッグと出合った。気軽に参加でき、デザインの力で環境問題をわかりやすく伝える取り組みに共感し、活動をスタート。現在メンバーは3人。貴志さんがミシンで1枚ずつ縫製し、バッグに通し番号を付ける。1年間で600個を製作した。
貴志さんが夫婦で営む欧風カレーレストラン「MYSORE(マイソール)」(向)で1個500円で販売。ケータリング・弁当店「ozz kitchen(オズズキッチン)」(岩橋)では「わっぱ弁当のためのブーメランバッグ」を弁当などとセットで販売する。
昨年7月のレジ袋有料化に合わせ、新聞などで報道され、布地引き取りの相談が多く寄せられた。閉業する100年以上営業した老舗仕立屋から、布地とミシン糸などの寄贈があったという。
貴志さんは「反響の大きさに驚いている。『捨てられないので役に立つなら使ってほしい』とたくさんの人が布地を提供してくれる。着物から作ったエコバッグを若い人が使うなど、時代を超え、循環する現場を目にするのは楽しい。グラフィックデザインで環境保護活動に貢献したい」と話す。「公式サイトで、ロゴや型紙のダウンロードができ、活動のアドバイスも充実しているので誰でも始めやすい。紀の川市にもグループができたので、活動の輪が広がればうれしい。バッグを手にした人の意識が変わり、みんなが『レジ袋いりません』と言えるようになれば」とも。