和歌山城公園動物園(和歌山市一番丁)のツキノワグマ「ベニー」が3月26日、仕事始めを迎えた。
ベニーは1994(平成6)年に来園した雌のツキノワグマ。推定年齢28歳で、体長約1.4メートル、体重約100キロ。2015(平成27)年の「第1回動物園長選挙」で同園初の「動物の園長」に選ばれ、同園を見守り、PRなどに活躍している。
動物園のクマは寒い地方でも通年展示するが、同園では1972(昭和47)年にクマの飼育開始以降、歴代のクマを冬眠させている。ベニーは昨年12月17日から「仕事納め」として約3カ月、冬眠していた。今年は高齢のベニーに配慮し、22日から「仕事始め準備期間」を設け、寝室の扉を開放し、屋内と屋外を自由に行き来できるようにした。
この日の最高気温は20.7度。春の目覚めにふさわしい暖かい一日となった。9時に寝室の扉が開かれベニーがゆっくりと姿を見せると、来園者からは「ベニー」「おはよう」「かわいい」など、歓声が上がった。
市内在住の3歳と5歳の兄弟は「先週来た時にはまだいなかったが、今日、久しぶりにベニーを見られてうれしい。ずっとベニーに会いたかった」と笑顔で見入るようにベニーを眺めた。
飼育員の西出尚輝さんは「冬眠中は2日に1回の食餌をしっかり食べ、おがくずの上でぐっすりと寝ていた。ベニーは動物園の顔なので、元気な姿を見せてくれてうれしい」と話す。「どっしりと園長の風格漂わせて座る姿がかわいいので、ぜひ見てもらいたい。暖かくなり、元気な動物たちの姿を見てもらえたら」とも。
開園時間は9時~17時。火曜休園。入園無料。