アドベンチャーワールド(西牟婁郡白浜町堅田、TEL 0570-06-4481)と近畿大学生物理工学部(紀の川市西三谷)、同大学先端技術総合研究所(海南市南赤坂)が4月15日、キングペンギンの人工授精成功を発表した。
「アドベンチャーワールド」のペンギン王国で暮らすキングペンギン
キングペンギンの人工授精成功は昨年に続き2回目。国内では、2019(平成31)年4月発表の「鴨川シーワールド」(千葉県鴨川市)に次ぐ3例目となる。ひなは2月6日にふ化し、同月27日のDNA鑑定やカメラでの行動確認の結果、人工授精が成功したことがわかった。
アドベンチャーワールドと同大学は2017(平成29)年に展示・希少動物の繁栄のための共同研究をはじめとする産学連携の協定を締結。同研究所が、精子の活性を維持する希釈液の使用や精液注入法などを技術指導した。現在は、キングペンギン専用の保存液を開発し、精子の凍結保存まで完了。今後、凍結した精子からの人工授精を目指す。
生まれたひなはオスで出生時の体重は215グラム。4月17日現在、10キログラムまで成長した。現在は母親と育ての父親と共に「ペンギン王国」で過ごしている。
飼育スタッフの佐藤翔太さんは「ペンギンの人工授精を始めた頃は未知の領域だったが、当園では2年連続で人工授精が成功するまでになった。今後は手法の確立とともに、凍結精子を使った人工授精やエンペラーペンギンなど他種での技術確立にチャレンジしていきたい」と話す。「ひなは成鳥の体重に近づいた。フワフワの羽に覆われているので、成鳥のペンギンより少し軽いが、見た目が大きくみえる時期。今後は親よりも『赤ちゃんの方が大きく見える』場合もやってくるかも」とも。
開園時間は10時~17時(4月29日~5月5日=9時~20時)。水曜と5月6日・7日休園。入園料は、大人(18歳以上)=4,800円、65歳以上=4,300円、中人(12歳~17歳)=3,800円、子ども(4歳~11歳)=2,800円。