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AIがウシの出産兆候を検知 和歌山「ノーリツプレシジョン」が北里大と共同開発

ノーリツプレシジョンの「牛わか」担当の皆さん

ノーリツプレシジョンの「牛わか」担当の皆さん

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 写真処理機器や介護・医療機器の開発・製造を行う「ノーリツプレシジョン」(和歌山市梅原)と北里大学獣医学部動物飼育管理学研究室(青森県)が7月1日、画像認識AIによるウシの分娩(ぶんべん)検知システム「牛わか」を発売する。

片手で持てるほどの「牛わか」の装置

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 同システムは出産予定のウシをサーマルカメラで監視。画像認識AI技術で、ぐるぐると回る、立ち座りが多くなるといった出産前の兆候を検出し、畜産農家などウシの管理者に自動通知する。片手で持てる程度の専用機器を分娩房に設置することで利用できる。ウシの体内にセンサーを挿入する従来の分娩検知システムは、母体への負担や衛生面の課題があった。監視カメラでは、ウシを見守る手間や人件費が課題となっていた。

 牛わかのAIは、北里大学が提供した畜産現場のウシのデータ・画像を基にアルゴリズムを開発。AIは、分娩兆候の判断を重ねていくことでさらに学習する。事例では、人間の目では見逃してしまいがちなわずかな分娩兆候しか示さないウシの通知に成功したことがあるという。

 ノーリツプレシジョンの鳴尾千夏さんは「本システムのアイデアは、もともとの事業の写真現像技術を発展させた介護の場面での見守り装置を基に生まれた。畜産農家からは、常に気がかりだった分娩の監視を自動化でき、いつ介助に駆けつければいいかが分かるので、仕事の段取りが組みやすくなり、ウシの飼育に時間を費やせるという反響をもらっている。畜産農家の飼育スタイルもさまざまなので、ニーズに応えてAIによるスマート畜産を広げていきたい」と話す。

 青森・宮崎・鹿児島の3県で先行発売。標準価格は60万円。8月1日から全国発売する。

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