和歌山城公園動物園(和歌山市一番丁)のツキノワグマ「ベニー」が12月10日、冬眠に入り、一足早く「仕事納め」した。
ベニーは1994(平成6)年に来園したツキノワグマの雌。現在の体長は約1.4メートル、体重は約100キロ。2015(平成27)年の「第1回動物園長選挙」で初代「動物の園長」に選ばれ、園の広報物に登場するなど活躍している。
同園では1972(昭和47)年にクマの飼育を始めて以降毎年、クマを冬眠させる。同園によると、動物園のクマは寒い地域でも通年展示が一般的だが、推定年齢28歳と高齢になったベニーを気遣い、一般的な仕事納めより早く冬眠をさせている。
飼育員がおがくずの上に干し草を敷き、寝室の準備を始めるとベニーはクマ舎の扉の前で待機。寝室の扉が開くとゆっくりと中に入り、エサを食べて腹ごしらえし、おがくずや干し草をかいて寝床を整えるなど冬支度した。ベニーは冬眠中、寝室で2日に1回程度、サツマイモやクマ用ペレットを食べ、春を待つという。3月中旬から1週間ほどの自主行動期間を設け、3月下旬から通常展示に戻す。
飼育員の中原亜由さんは「今年も一年がんばってくれたベニーには、暖かい部屋でゆっくりと休んで英気を養ってもらい、桜が咲くころにまた元気な姿を見せてもらいたい」と話す。「園ではシカやヒツジ、ウマ、アルパカなどの餌やりや紀州犬のふれあい体験を行っており、園長が休みの間もほかの動物たちが出迎えているのでぜひ遊びに来てほしい」とも。
開園時間は9時~17時。火曜休園。入園無料。