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和歌山・湯浅に1万2000体のつるしびな コロナ風評被害受け、手作りで新名物

湯浅伝建地区保存協会会長の木下さんとつるしびな

湯浅伝建地区保存協会会長の木下さんとつるしびな

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 第9回「湯浅まちなみひなめぐり」が現在、湯浅町内の湯浅伝統的建造物群保存地区などで行われている。主催は湯浅伝建地区保存協会。

伝建地区の街並みとひな飾り

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 町内約20カ所でひな人形と1万2000体を超える「つるしびな」を展示する催し。第8回まではひな人形を中心に、つるしびなを添えて展示してきた。1万2000体のつるしびなの展示は今年が初。

 同町は2020年2月13日に町内の病院で国内初の新型コロナウイルス院内感染が確認され、風評被害により、ふるさと納税の返礼品受け取り拒否や観光客減少など、産業の不振が続いた。つるしびなには験担ぎの意味があり、目が赤いウサギの人形は魔よけ、サルは災いが去るなどの意味を持つことから、つるしびなを飾って町民を元気づけようと、当時の町の人口1万1866人分のつるしびなを作るプロジェクトが発足。町内外の約60人支援者と複数の団体が2年かけ、手作りした。

 湯浅伝建地区保存協会会長の木下智之さんは「1万2000体ものつるしびなを飾るイベントは関西では珍しい。最初は作るのが難しいと言っていた人がだんだん上達したり、見せ合って『かわいい』と褒め合ったり、創意工夫を重ね、表現することが作り手の楽しみになった」と呼び掛ける。

 会場の一つ、甚風呂でひなを見ていた男性は「湯浅には時々しょうゆを買いに来るが、ひなめぐりは初めて。珍しいので写真を撮りたい」と笑顔を見せた。

 開場時間は会場により異なる。入場時はマスク着用と手指消毒を求める。3月12日まで。

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