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和歌山大空襲をテーマにしたまち歩きイベント開催へ 映画監督・木川教授が案内

案内役を務める和歌山大学観光学部の木川教授

案内役を務める和歌山大学観光学部の木川教授

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 和歌山大空襲を学ぶまち歩きイベント「木川教授とあるく和歌山大空襲の地」が7月10日、和歌山城周辺で開催される。主催は市民落語グループ「わかやま楽落会」。

和歌山市にある汀丁公園の戦災殉難者供養塔

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 和歌山大空襲は、1945(昭和20)年1月から7月まで計10回和歌山市が受けた空襲の中で特に規模の大きかった空襲を指す。同年7月9日23時36分から翌2時30分まで、米軍のB29爆撃機が和歌山市上空を飛来し、爆弾攻撃と焼夷(しょうい)弾爆撃を行った。この空襲による全市の被害は、全焼2万7402戸・重軽傷者4438人、死者1101人。現在の汀丁公園は当時、旧県庁舎跡の空き地で、ここでの死者は全体の6割強を占める。

 当日は、戦災殉難者供養塔がある同公園を出発し、城北橋、京橋、和歌山城内を巡り、和歌山城岡口門に終着する。和歌山大学の木川剛志教授が案内役を務め、開催風景を映像で記録する。和歌山市立博物館で空襲被災者の体験談を記録する高橋克伸副館長が同行し、解説を行う。

 同会と木川研究室はこれまで「替わり目」「七曲ブルース」「河西橋」と3作の地域映画を共同製作。1年ほど前から和歌山の戦争孤児の記録を後世に伝える活動を開始。昨年2月、映画上映と講演イベント「戦争と空襲、そして戦後混乱期のこと」を開催した。

 木川教授は「空襲そのものの記録はあるが、空襲が和歌山をどう変えたかという記録はほとんど残っていない。戦争によって変わった都市の形、人の暮らし、人の気持ちを含め、戦争を理解し、作品にまとめられれば」と話す。「まち歩きでは、参加者の話をたくさん聞きたい。何を思い出し、どんなことを感じたのかを共有する時間になれば。若い人にも参加してもらい、地域の記憶を引き継いでほしい」とも。

 8時30分出発。参加費は200円。定員は50人。要申し込み。受け付けは6月30日まで。

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