第21回わかやま環境賞の表彰式が6月29日、和歌山県庁で開催された。
同賞は、県が2002(平成14)年に創設。環境保全の実践活動が模範となる個人・団体を表彰する。今年は3団体と2人が受賞した。
大賞は「きとら農園」(有田川町清水)。代表の新田(しんだ)清信さんは2011(平成23)年に東京からUターンし、同農園を開園した。特産のブドウサンショウを栽培し、実さんしょうや乾燥さんしょう、希少部位の花さんしょうに加え、農園で加工した粉さんしょうも販売する。同賞選考委員会は「荒れた里山を園地として再生し、ブドウサンショウの有機栽培や無農薬で循環型の桑の茶葉作りを行っている」と評価した。
同農園のほか、手作り体験教室を通じて地球温暖化などに係る学習を実施して緑豊かなまちづくりを推進する「伊都・橋本地球温暖化対策協議会」(橋本市)、校区周辺のごみ調査等に取り組み海ごみ問題の授業を行っている「和歌山市立楠見西小学校」、自然体験教室や川と自然を考えるフォーラム実施等により地域の環境啓発に取り組む「大塔地球元気村実行委員会」(田辺市)など3団体も受賞した。特別賞は26年にわたり、ほぼ毎日路上や溝、やぶのごみを拾い、地域の美化に取り組む上富田町の中松キミヨさんに贈られた。
新田さんは「引き続き、低炭素型で環境負荷の少ない農業に取り組んでいく。ブドウサンショウの魅力を発信し、次の世代に伝え、発祥地を守っていきたい」と意気込む。