ロックバンド「キュウソネコカミ」が2月15日、和歌山県警から特殊詐欺被害防止広報大使に委嘱された。
特殊詐欺被害防止広報大使に委嘱されたキュウソネコカミのメンバー(前列)
同バンドは、2009(平成21)年に関西学院大学(兵庫県)の軽音楽部員だったメンバーで結成した5人組。ボーカル・ギター担当のヤマサキセイヤさんは御坊市出身。
和歌山県では、特殊詐欺被害が2022年で102件発生。被害総額は約1億7000万円に上り、前年の約2倍に増加した。県警はこれまでに、毎日の防犯メール配信、県警OBによる自治会などへの出張講座、専用のフリーダイヤル「0120-508(これは)-878(わなや)」を開設するなど、被害防止と啓発活動に取り組んでいる。広報大使の委嘱は活動の一環で、特に若い世代に詐欺犯罪に関わらないよう訴える。
「和歌の浦アート・キューブ」(和歌山市和歌浦南3)で行われた委嘱式では、生活安全部の高砂浩之部長が「若い世代が犯罪に手を染めないよう、『受け子』や『出し子』などにならないように、発信してほしい。県民の防犯力を高める強力な発信力に期待している」とあいさつ。メンバー5人それぞれに委嘱状を手渡した。委嘱期間は2年間。式には、県警シンボルマスコットの「きしゅう君」とキュウソネコカミのアイコンキャラクター「ネズミくん」が同席した。
キーボード・ボーカル担当のヨコタシンノスケさんは「ライブで全国各地を回り、音楽で元気を届けている姿と大使としての発信が結び付けば、特殊詐欺被害防止について、もっと伝えていける。SNSでもファンに発信していきたい」と話す。
ヤマサキさんは「依頼を受けたとき『どっきり』なのではと疑うほど驚いた。キュウソのファンは老若男女にかかわらずなので、若い人はもちろん幅広い世代に発信できる。特殊詐欺がなくなるように尽力していきたい」と意気込む。
当日はキュウソネコカミが警察官を演じた啓発動画も撮影。動画は和歌山県警のユーチューブチャンネルで公開する。