有田市立有和(ゆうわ)中学校(有田市箕島)の新校舎の市民向け見学会が3月18日・19日、開催された。
有田産ミカンの皮を練り込んだ壁材を開発して使った校舎1階から2階をつなぐ「大階段」
有田市内の箕島、保田、文成、初島の公立中学4校統合のため、箕島中学の敷地に新設した同校舎。設計は「隈研吾・二本柳慶一設計共同企業体」。敷地面積は約2万5700平方メートル、延べ床面積は1万4300平方メートル、地上5階建て。
同市は、2006(平成18)年から集団規模確保を目的に4校統合を検討。2019年から定期的に連合自治会長やPTA会長、小中学校の校長らで組織する有田市立中学校統合準備委員会を開催し、準備を進めてきた。2021年8月から校舎の建築工事が始まり、今年2月に完成。4月から箕島中学が新校舎へ移り、来年4月に有和中学が開校する。
高速通信環境を整備し、ICTを活用した教育に対応する。地域住民の施設利用を視野に入れ、教育棟やメディアセンター、体育館棟と空間を分けた。避難所の役割も担い、災害時は地上から屋上へ避難経路を確保する。玄関からつながる大階段には有田市産のミカンの皮を練り込んだ壁材で「みかん壁」を造るなど、地域の特色も盛り込んだ。
市教育委員会教育総務課の担当者は「2020年のプロポーザルで地域の風土を表すものを建築物の中で表現するなど、周辺環境を大切にする姿勢を評価し、設計者を決めた。最新の環境で、生徒一人一人が自分の強みを精いっぱい伸ばせるよう、学校生活を送ってほしい。地域との交流も増え、世代間理解が進めば」と話す。