和歌山市立博物館(和歌山市湊本町3、TEL 073-423-0003)で7月7日、ホール展示「和歌山大空襲の記憶」が始まった。
和歌山大空襲は、1945(昭和20)年7月9日深夜から翌10日未明にかけて和歌山市の市街地への大規模な空襲を指す。同館によると、米軍のB29爆撃機108機が約800トンの焼夷(しょうい)弾を投下し、焼失家屋3万1137戸、死者・行方不明者1424人、被害を受けた人は11万3548人に上ったという。
同館では、2015(平成27)年からこの時期に展示とイベントを行ってきた。今回は、昨年度から聞き取りを行った、1929(昭和4)~1935(昭和10)年生まれの9人の体験談を新たに展示する。同館によると、これまでに記録した証言者は200人近いという。
ホールは体験談のパネルのほか、軍隊手帳、当時の学生が使っていた登校袋、政府公認の防空ガイドブック「防空絵とき」など、戦時中の暮らしを伝える資料約10点を展示する。空襲後の市街地を捉えた写真(和歌山市広報課所蔵)や米軍が撮影した航空写真も並べる。
期間中の関連イベントとして、7月11日に映画「和歌山大空襲」上映と「戦争体験絵巻」解説、8月1日に被災体験者3人の講演を予定する。そのほか、ゴスペル亭パウロさんの落語「和歌山大空襲から奇跡の復興、和歌山城再建」(7月9日、8月15日)、和歌山市語り部クラブによる紙芝居「私は忘れない」(7月9日、8月1日、8月15日)の披露がある。
同館学芸員の松井萌さんは「来館者から自分も体験したと教えてもらったり、高齢の母親の体験談を記録してほしいと申し出があったりと、この取り組みが新たな証言を集めるきっかけになっている。世界情勢的にも、平和について立ち止まって考える機会にしてほしい。和歌山大空襲の記憶を風化させないように継続し、戦争を知らない世代にも知ってもらいたい」と来場を呼びかける。
開館時間は9時~17時(入館は16時30分まで)。月曜休館。観覧無料。イベントには入館料(一般・大学生=100円)が必要。8月23日まで。