「京奈和自動車道」岩出根来インターチェンジ(IC)~和歌山ジャンクション(JCT)区間が3月18日、開通した。
和歌山市から岩出市、紀の川市を通り奈良・京都につながる同自動車道は、城陽IC(京都府)を起点に和歌山JCTを終点とする総延長120キロメートルの自動車専用道路。
和歌山県内は、橋本道路(橋本IC~高野口IC)、紀北東道路(高野口IC~紀の川IC)、紀北西道路(紀の川IC~和歌山JCT)の3道路からなる約40キロで1997年に着工し、県東部エリアから順次延伸工事を行い、2015年9月に開通した岩出根来IC~紀の川ICが今回、和歌山JCTに接続したことで県内全線が阪和自動車道と接続した。
3月11日と18日には、和歌山県内全線開通記念のウオーキングイベントが開かれ、2日間で1万人が自動車専用道路を歩き、雄ノ山高架橋などからの眺めを楽しんだ。
2006年以降、同道路沿線地域には約100件の企業立地があり、2016年6月には三菱電機の冷熱システム製作所(和歌山市手平)が敷地面積1万5000平方メートル規模の「岩出物流センター」(岩出市根来)を建設するなど、新規の大型建設ラッシュが続いている。
国土交通省近畿地方整備局和歌山河川国道事務所の中尾勝さんは「和歌山県は道路不足で和歌山市と橋本市をつなぐ国道24号線は渋滞が問題だった。今回開通した京奈和自動車道の計画通行量は1日1万5000台。これにより国道の渋滞が解消され、地域の人には生活道路として快適に利用いただけるようになる。観光客は約20%増加したほか、カキ・モモなどの生産物の出荷もスムーズになる」と話す。
「京奈和自動車道は全体で見ると5割以上が完成したが、今後、奈良・京都方面の道路が完成すれば西名阪自動車経由で名古屋・東京方面からの流入も期待できる。和歌山の方の京都・名古屋方面のお出かけも便利になる」とも。
同自動車道は通行無料だが、根来岩出IC~和歌山JCTは別途通行料金が必要となる。