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和歌山・紀三井寺で恒例の七夕祭り 織姫と彦星が天に願いを届ける

笹をたき上げる様子

笹をたき上げる様子

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 紀三井寺(和歌山市紀三井寺)で7月7日、恒例の七夕まつりが開催され、約1000人が集まった。主催は紀三井寺観光協会。

笹に火を点ける織姫と彦星

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 同寺院は西国三十三カ所観音霊場の一つ。2002年に竣工した仏殿には、総漆金箔張り・木像の立像では日本最大の大千手十一面観音像が安置されている。同祭りはその起源があいまいで、今年で約40年目だという。

 七夕の言い伝えでは、笹を燃やすと煙が天に昇り、その煙が織姫や彦星に届くと願いが叶うと言われている。副住職の前田泰道さんは「昔は願い事を書いた笹を川に流して天に届けていたが、それができなくなった。しかし、なんとか子どもたちの願いを天に届けるために、ここでたき上げをしている」と話す。

 当日の天気は朝から雨模様。開催が心配されたが午後には雨も上がり、18時になると願いごとを書いた短冊をつるした笹を持った子どもたちが元気に階段を登り、境内へと急ぐ姿が見られた。

 今年は参道の商店の若者を中心に、祭りを盛り上げるイベントを企画。「子どもの思い出は親の思い出」をコンセプトに、地元のダンススクールによるダンスステージや、子どものど自慢大会が行われた。

 「子どもが大人になったときに、また自分の子どもを連れていきたいと思ってもらえるようなイベントにしたかった」と話すのは企画に携わった岩崎悠真さん。「子から親への成長を観音様に見守っていただきたい」とも。

 祭りの最後には、中国の神話になぞらえ織姫と彦星が登場。本殿からは観音様の聖なる火を乗せた山車(だし)に先導された織姫が、仏殿からは笹を持った彦星がそれぞれ現れ、出合った先で短冊が吊るされた笹に火を灯したき上げが始まった。前田副住職の読経とともに燃え上がる炎を見た来祭者からは大きな歓声が上った。

 2人の子どもを連れた30代の夫婦は、「笹に短冊を吊るしたものをどうしたらいいか分からず調べていたら、近所の紀三井寺で焚き上げのことを知った。子どもにとっても良い経験になった。また来年も来たい」と笑みを浮かべた。

 拝観時間は8時~17時。拝観料は大人200円、子ども100円。

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