和歌山に伝わる妖怪を紹介する書籍「マエオカテツヤの和歌山妖怪大図鑑」が2月24日、「ニュース和歌山」(和歌山市南中間町、TEL 073-433-4882)から刊行された。
著者のマエオカテツヤさんは、1967年和歌山市生まれの漫画家。1989年に月刊「マンガタイム」でデビューし、スポーツニッポン紙上の「おじゃま天狗」の連載などを経て活動拠点を和歌山に移した。「小学校の同級生が描く妖怪がかわいくて、それまで怖い存在だと思っていた妖怪に興味を持った」というマエオカさん。2016年1月3日から現在までニュース和歌山毎土曜日号に同名の連載を行っている。
ニュース和歌山編集長の西山徳朗さんは「妖怪の話は連載当初から好評。特に子どもと、孫と一緒に楽しんでいる年配の方が手に取ってくださっている」と話す。
同書では、マエオカさんが和歌山で古くから伝わる言い伝えや都市伝説でもささやかれる妖怪の姿を描き解説。子どもの姿をした「カシャンボ」、熊野山中で人に取りつく「ダル」、「慈光圓福院(じこうえんぷくいん)」(北金屋丁)に頭骨が安置される「烏天狗(からすてんぐ)」など和歌山に関する妖怪をはじめ70体の妖怪が登場する。そのほか現存する妖怪の姿や妖怪スポットの紹介、出没地域が分かる妖怪地図もある。
マエオカさんは「妖怪といえば水木しげるさんが描いたイメージが強い。もともとは姿形のないものなので、みんなが友だちになりたいと思うようなかわいらしい妖怪を描いた」と話す。「連載記事を切り抜いて貼ったノートを作る子どもや、妖怪をきっかけに自然に興味を持つ子どももいてうれしい。妖怪は怖いものではなく人に寄り添うもの。妖怪から歴史や文化風習などを感じ取ってもらえれば」とも。
14日から「純喫茶リエール」(和歌浦中)で妖怪たちのイラスト展を開催するほか、17日からはイラストを展示した「妖怪電車」が和歌山電鉄貴志川線を走る。
価格は999円。A5変形判、160ページ。県内の書店で販売する。