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石ノ森章太郎さんの原画が和歌山から石巻へ 地元紙記者が間をつなぐ

「墨汁一滴」を手に石ノ森さんのマンガについて話す大瀬さん、林さん、木村さん(左から)

「墨汁一滴」を手に石ノ森さんのマンガについて話す大瀬さん、林さん、木村さん(左から)

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 和歌山・紀美野町で3月28日、石ノ森章太郎さんが創刊した同人誌「墨汁一滴」と原画約30点が「石ノ森萬画(まんが)館」(宮城県石巻市)運営者に引き渡された。

各巻1冊しか存在しない幻の同人誌「墨汁一滴」第4巻

 原画の保有者は、紀美野町在住で石ノ森さんの元チーフアシスタント・大瀬克幸さん。原画は、大瀬さんの福岡県の実家で約50年間保管していた荷物の中から見つかった。原画を見つけた大瀬さんは、1月に「T's Cafe(ティーズカフェ)」(和歌山市)で原画展を開催。展示会終了後「石ノ森萬画館」を運営するまちづくり会社「街づくりまんぼう」へ寄贈することを決め、28日に同社の木村仁さんが受け取った。

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 寄贈の立役者は、入社12年目を迎える地元紙「ニュース和歌山」記者の林祐司さん。林さんは2011年12月、東日本大震災のボランティアで石巻市を訪問。それ以来、毎年年末に和歌山からミカンを車に積み石巻市を訪れ、現地の団体と協力してミカンを使ったレクリエーション活動などを続けてきた。

 林さんは昨年末に石巻市を訪れた際に同館を訪問。和歌山で発見された原画と大瀬さんのことを伝え、両者を仲介した。原画展開催中に「石ノ森プロ」スタッフが訪れ、原画が本物であることを確認。原画は漫画館の運営者・街づくりまんぼうに寄贈されることが決まった。

 林さんは「大瀬さんから『原画を寄贈したいがまだ先方に伝えていない』と聞いて、年末に石巻に行くなら自分が話をしに行こうと思った。石巻では和歌山産のミカンが食べられていて、食や文化の面でも共通点を見つけて親近感を感じていた。石巻と和歌山に新たなつながりが生まれてよかった」と話す。「地元紙の記者は、地元の人たちとのつながりがあってこその職業なので、一つのつながりが今回のように大きな実を結ぶところを間近で見られたのは感無量」とも。

 木村さんは「昔は印刷が終わればお役御免だった漫画の原画の価値が向上したのはここ数十年。原画が見つかり、大瀬さんとつながりを作ってくれた林さんに感謝している」と話す。「原画は当面当館の収蔵庫で保管し、大瀬さんを招いて贈呈式とトークイベントを開き、公開をする予定。この縁を大切にして、今後も協力してできることがあればうれしい」とも。

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