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和歌山で「粘菌」展 1時間に数ミリ移動「生きた粘菌」や南方熊楠作の標本も

粘菌の拡大模型

粘菌の拡大模型

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 和歌山県立自然博物館(海南市船尾、TEL 073-483-1777)で7月21日、特別展「小さな粘菌の大きなワンダーランド」が始まった。

通常は1時間に数ミリメートル動くという「イタモジホコリ」

 粘菌は「変形菌」とも呼ばれる微生物で、アメーバのように大きく広がった状態や数ミリのキノコに似た「子実体(しじつたい)」の状態で、朽ちた木や落ち葉などの身近なところに現れる。現在、世界で約900種が発見されており、日本には500種ほどが分布する。和歌山では150種ほど見つかっている。

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 和歌山県出身で粘菌の研究で知られる生物学者・南方熊楠は、日本産粘菌のリストを発表したほか「アオウツボホコリ」や「ミナカタホコリ」などを発見し多数の標本を残した。同展では、熊楠が自宅の柿の木で採集したミナカタホコリなどの標本や研究功績資料を展示する。

 展示室では、生きた粘菌や標本、虫めがね・ルーペ・顕微鏡などを使った粘菌の観察コーナー、近年の応用研究として粘菌が餌と餌を最短距離で結ぶ特性を生かした研究などを紹介。そのほか図鑑や芸術作品などを含め約140点を展示する。顕微鏡で観察してどの種類か当てるコーナーでは、来場した子どもと一緒に大人も楽しんだ。

 学芸員の川上新一さんは「顕微鏡で見比べるコーナーや映像紹介、粘菌をモチーフにした芸術作品など幅広い展示なので、多くの人に粘菌を身近に感じてほしい」と呼び掛ける。「生きている粘菌として大きなアメーバ状の『イタモジホコリ』を展示した。通常なら1時間に数ミリメートル動くが、粘菌も夏バテしたのかやや動きが少ないがじっくり観察して」と笑顔を見せる。

 開館時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)。月曜休館。入館料は470円(65歳以上、高校生以下無料)。期間中は来館者に粘菌のポストカードを数量限定で配布する。9月2日まで。