特別展「ミュシャと日本、日本とオルリク」が現在、和歌山県立近代美術館(和歌山市吹上1、TEL 073-436-8930)で開催されている。
日本美術とチェコ出身の画家アルフォンス・ミュシャ(1860年~1939年)、版画家エミール・オルリク(1870年~1932年)などの作品から互いの影響を読み解く同展。
期間中、チェコ、ドイツ、日本など40カ所から収集した作品529点を展示する。序章コーナーでは、ヨーロッパにおける日本美術の影響「ジャポニスム」につながった尾形光琳や琳派の版本、アートとして珍重された染色用の型紙、葛飾北斎と歌川広重の浮世絵などを展示する。第1章コーナーの「チェコのジャポニスム」では、ミュシャやチェコの近代美術を主導した芸術家たちの作品を並べる。第2章コーナーの「ミュシャと日本」では、街頭を飾った石版画の大型ポスターや、それらを紹介した洋画団体「白馬会」や文芸雑誌「明星」などを展示。第3章と第4章コーナーでは、オルリクが日本に滞在する前後の作品や後継者たちの作品を紹介する。
岩出市から訪れた女性は「ミュシャの大きな作品をたくさん見られてよかった。さまざまな人の作品を見比べ、ここが影響を受けたところなのかなと想像しながら楽しめた」と話す。
学芸員の青木加苗さんは「ジャポニスムは一過性のブームで終わることなく、モチーフやスタイルの表現を消化して芸術家たちは自分の表現にしていった。互いに影響し合って、発展していった変化を感じてもらえたら」と来場を呼び掛ける。
開館時間は9時30分~17時。月曜休館。観覧料は、一般=1,000円、大学生=800円、高校生以下・65歳以上無料。11月16日・17日は「関西文化の日」で入場無料。12月15日まで。